理事長挨拶


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目の前で交通事故が起きてしまったら、目の前で人が倒れたら、もしそれが自分の対応している患者さんだったら、我々は何ができるのだろう。きっと119番通報して、救急車を待つことは何とかできるでしょう。しかし、本当にそれだけしか出来ないのでしょうか?

 

私がインストラクターや、スタッフ参加しているような、心肺蘇生術、外傷の初期対応を含めた緊急対応の講習は難しく受け取られるのか、既存の研修会等への薬剤師の参加率は極めて低いです。それに加え、救急外傷の病院前評価と処置を学べるJPTEC(Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care ) は薬局薬剤師 に正式な受講資格がありません。また、救急救命でなくとも災害時、停電時、患者トラブルなどの緊急時 の対応は、薬剤師にも求められる可能性は十分にあります。

これらの学びはロールプレイやシミュレーションによる体験学習が効果的ですが、薬剤師に対応する講習は皆無でした。

参加への意識のハードルと薬剤師の実習研修の少なさを解決するため、薬剤師ならではの講習に練り直すことで、他人事ではないと考えてもらい、かつ、楽しんで体験しながら学ぶ事ができるメディカルラリーの形を採用して開催してみようと考えました。

 

薬剤師メディカルラリーにより「日常に起こりうる非日常」を体験することで、緊急時に対応出来る強い薬剤師が少しずつ増えたら幸いです。そして、いつか街にいる全ての薬剤師が、救急隊到着までの心肺蘇生等の処置を適切に行えるようになれば、救命率、社会復帰率も上昇し、その街はとても心強い街になるだろうと、そんな未来を思い描いています。

 

NPO法人 薬剤師緊急対応研修機構
理事長 山口 勉